海洋プラスチック対策等を推進─海岸漂着物処理推進法の一部改正

ロー・フォーラム 立法の話題(法学セミナー)| 2018.12.13
国会で成立する法律は数多くに及びますが、私たちの社会の制度変更に影響の大きい立法、私たちの生活に影響の及ぼすような立法など、注目の立法を毎月ひとつずつ紹介します。
月刊「法学セミナー」より、毎月掲載。

(毎月中旬更新予定)

◆この記事は「法学セミナー」768号(2019年1月号)に掲載されているものです。◆

背景、経緯等

四方を海に囲まれた日本の海岸には、外国由来の漂着物が大量に到着するなど、その良好な景観や環境の保持が以前から課題となっている。こうした状況を受け、2009年には、海岸漂着物の円滑な処理および発生の抑制を図るための海岸漂着物処理推進法が制定された。同法に基づき、2010年には海岸漂着物対策推進のための基本方針が閣議決定されるなど、必要な施策が講じられてきた。

海岸漂着物処理推進法の施行後10年近くが経過するが、わが国の海岸に漂着するごみは依然として多く、また、沿岸の漂流ごみや海底ごみが船舶の航行の障害や漁場の支障となっている。さらに、近年、マイクロプラスチックと呼ばれる微細なプラスチック類が海洋に流出することの害が指摘されている。すなわち、マイクロプラスチックが有害化学物質を吸着して食物連鎖に取り込まれる結果、その海洋生態系に及ぼす悪影響が懸念の対象となっている。

このような現状に対処するため、議員立法により、海岸漂着物処理推進法の改正案が提出され、2018年6月15日に可決成立した。改正法は、同月22日に公布され、即日施行された。

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